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なぜ出生時刻が必要なのか
ホロスコープ(出生図)は二つの要素でできています。ひとつは太陽、月、惑星が黄道十二サインのどこにあったかで、これは生年月日で決まります。もうひとつは、生まれた瞬間に出生地から見た地平線で、これは正確な時刻で決まります。アセンダント、MC(天頂)、そして12のハウス (英語)は、この地平線から導かれます。
ですから問題は「私のチャートは使えないのか」ではなく、「どの部分が時計を必要とするほど速く動くのか」です。一日の動きを追ってみると、答えははっきりします。この記事では、架空の誕生日である1994年4月12日、リスボン生まれの例のチャートを、出生時刻が不明だという前提でたどっていきます。
アセンダント:いちばん速く変わる部分
地球が自転するにつれて、十二サインは順番に東の地平線から昇ってきます。一日のうちに12サインすべてがアセンダントになるので、平均するとおよそ2時間ごとに上昇サインが変わる計算です。ただし、この平均の陰には大きな差が隠れています。
例の日のリスボンでは、一日のあいだに12のサインが昇りました。最も短かったのは牡羊座で、アセンダントにとどまったのはわずか70分。最も長かったのは獅子座で、155分でした。速く昇るサインとゆっくり昇るサインがあり、その差は赤道から離れるほど大きくなります。
出生時刻がないとき、最初に失われるのがアセンダントなのはこのためです。ハウスも一緒に失われます。ハウスはアセンダントを起点に数えるので、どのサインが昇っていたかわからなければ、各惑星がどのハウスに入るかもわかりません。アセンダント計算ツールが時刻の入力を求めるのも同じ理由です。
出生時刻がなくても失うのはチャートの地平線だけで、空そのものは失われません。
月:たいていは確か、ときどき要注意
月は、占星術で使う天体の中でいちばん速く動きます。一日に黄道上をおよそ11.8度進み、ひとつのサインに約2.3日とどまります。多くの場合、誕生日の一日はまるごとひとつのサインの中に収まります。けれども月がサインを移る日もあり、その場合は生まれた時刻によって月星座が変わります。
例の日は、わかりやすい日のひとつです。午前0時から深夜0時までに月は1° 牡牛座から13° 牡牛座へ進むだけなので、この日に生まれた人は何時生まれであっても月星座は牡牛座です。カバーの図は、この短い弧と、隣に並べた太陽のずっと小さな動きを示しています。
ご自分の誕生日がそれほど単純でない場合は、月星座計算ツールで、その日に月がサインを移ったか、何時に移ったかを確かめられます。移っていた場合でも、「午前中だった」「真夜中だった」といった大まかな情報だけで、どちら側かを判断できることがよくあります。二つの月星座の解説を両方読んでみるのもおすすめです。どちらか一方にはっきり自分を重ねられることは多く、それ自体は何かの証明にはなりませんが、メモしておく価値はあります。
時刻がなくても安心して読めるもの
太陽は一日に約1.0度しか動かず、惑星はさらにゆっくりです。そのため、時計に左右されない項目がたくさん残ります。
- 太陽星座。太陽がサインを移る日に生まれた場合を除けば確かです。その場合も計算ツールなら数秒で確認できます。
- 月星座。例の日のように、月が一日じゅう同じサインにいた場合は確かです。
- 水星、金星、火星、そしてゆっくり動く惑星のサイン。月 (英語)のページをはじめ、各惑星のページでそれぞれの配置を解説しています。
- 惑星どうしのアスペクトの大部分。ただし月が関わるアスペクトは、一日のうちにオーブに入ったり外れたりすることがあるので、少しゆるやかに読みましょう。
- 10天体のエレメントとクオリティのバランス。
これだけでも、十分に一人の人物像になります。ホロスコープの読み方のガイドはこれらの層を順番に解説していて、その大半は時刻なしでも実践できます。抜け落ちるのはアセンダント、MC、ハウス、そしてそれに伴ってビッグスリーのひとつです。
正午チャート:時刻なしのホロスコープの描き方
時刻がなくても、チャートはどこかの瞬間に合わせて計算しなければなりません。一般的には一日の真ん中である正午を使います。そうすれば月の位置の誤差が最小になり、チャートに描かれた位置から最大でも半日分しかずれないからです。
このサイトのホロスコープ作成ツールも同じ方法をとっています。時刻を空欄にすると、惑星を正午の位置で描き、牡羊座の始まりを左側の9時の位置に置き、ハウスは表示しません。月のそばの弧は、その日のうちに月がいた可能性のある範囲を示しています。アセンダントを表示しないのは、どんなアセンダントを出しても、推測を事実のように見せてしまうからです。
一歩進んで、ソーラーチャートを使う占星術師もいます。太陽のサインを第1ハウスに置き、そこから1サインずつ順に各ハウスを数える方法です。これは知られた技法で、特に時期を考えるときなど、振り返りのための視点として役立つことがあります。ただ、その性質ははっきり理解しておきましょう。ソーラーチャートが表すのは、あなたの太陽から見た景色です。本当のハウスの代わりにはならず、アセンダントについては何も教えてくれません。
出生時刻を探せる場所
正午チャートで満足する前に、少し丁寧に探してみる価値はあります。出生時刻がどこに記録されているかは、国や年代によって大きく異なります。
- 母子健康手帳。日本では、母子手帳の出産の記録の欄に出生時刻が書かれていることがほとんどです。まずはご家族に手帳が残っていないか尋ねてみましょう。
- 出生届と役所の記録。出生届には生まれた時刻を書く欄がありますが、戸籍謄本には時刻は載りません。出生届の記載事項証明書は、請求できる人や理由が限られているので、窓口で確認してください。
- 病院の記録。病院は出産の時刻を記録しています。古い記録は保存期間を過ぎていることもあり、開示の方法も病院によって異なります。
- 家族への聞き取り。両親や祖父母、年上のきょうだいは、その日のことを尋ねると思った以上に覚えているものです。朝ごはんの前だったか、夜勤明けだったか、夜のニュースの最中だったか。
見つかった情報は、やさしく受け止めてください。「5時ごろだったかな」という記憶も立派な手がかりです。一日の半分を除外でき、アセンダントは決まらなくても月星座は決められるかもしれません。
おおよその時刻でも役に立ちます。アセンダントが決まらなくても、月星座は決められることがあります。
レクティファイ:人生の出来事から時刻を推定する
レクティファイ(出生時刻修正)は、逆向きにたどる作業です。占星術師が人生の大きな出来事の日付をもとに、どの出生時刻ならチャートがいちばんよく当てはまるかを検討します。意味のある作業だと感じる人もいます。
ただし慎重に向き合いましょう。レクティファイは解釈に基づく作業なので、二人の占星術師が別々の時刻にたどり着くこともあり、ひとつのチャートが複数の候補に当てはまってしまうこともよくあります。修正された時刻はあくまで作業仮説として扱い、時刻に左右されない部分は引き続き読んでいきましょう。
かんたんチェックリスト
- 母子健康手帳の出産の記録を確認する。
- 病院に問い合わせ、家族の書類やアルバムを見てみる。
- 家族には時刻だけでなく、その日の様子も聞いてみる。
- 月星座計算ツールで、その日に月がサインを移ったかを確かめる。
- 正午チャートを作り、サイン、アスペクト、エレメントを読む。
- 信頼できる時刻が見つかるまで、アセンダントとハウスは保留にしておく。
出生時刻が記録されていない赤ちゃんにも同じ考え方が使えます。これについては赤ちゃんのホロスコープの記事でも触れています。いつか時刻が見つかったら、チャートを作り直すだけです。それまでに読んだことはすべてそのまま生き、そこにハウスが加わります。
よくある質問
出生時刻がわからなくてもアセンダントはわかりますか?
確実にはわかりません。アセンダントはおよそ2時間ごとに変わるため、日付だけでは最大12通りの答えがありえます。「夕方」などおおまかな時間帯がわかれば2〜3サインまで絞り込み、どの解説がいちばんしっくりくるかを見てみることはできますが、結論は保留にしておきましょう。
正午チャートは正確ですか?
太陽と惑星のサインについては正確です。月も、一日じゅう同じサインにいた場合は正確です。一方でアセンダント、MC、ハウスについては正確ではないため、このサイトのチャートでは時刻がないときにそれらを表示しません。
出生時刻はどのくらい正確である必要がありますか?
アセンダントとハウスのカスプには、数分以内の精度が理想です。速く昇るサインの時間帯であればなおさらです。30分単位に丸めた時刻でも、月星座にはたいてい十分で、アセンダントにも多くの場合は足ります。ただしアセンダントがサインの境目近くにある場合は別です。
記録された時刻が二つあるときは?
両方の時刻でチャートを作って見比べてください。惑星や月のサインは同じで、アセンダントやいくつかのハウスだけが違うことがよくあります。一般には記憶より公的な記録のほうが重みがありますが、両方の可能性を心に留めておいてもかまいません。